戸梶圭太「下流少年サクタロウ」
下流少年サクタロウ 戸梶 圭太 文藝春秋 2007-09 asin:4163263209 Amazonで詳しく見る |
たぶん近未来、貧富の差は絶望的なものとなり、学校も社会も崩壊していた。戸梶お得意の激安人生物語。
また、激安か!というのが正直な感想。最近のトカジ作品、激安が多くないですか。いや、本の値段が…だったら嬉しいんだけど、ね。こんだけ続くと飽きる。
流暢な文章には磨きがかかったと思うのだ、読みやすいしテンポもいいし。だが、こんな救いのない陰惨にして陰鬱なだけの話はいただけない。
作中の事件は現実に類似事件が起きているし、学級崩壊にしても現実とそう大差ない。暴走しないゴーストだったら珍しくもない。
悲惨な現実を反映していることは認めるが、こんなユーモアのかけらもない救いのない作風だっけ。ただただ暗い気分になる小説だった。