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読書の記録

平谷美樹・岡本美月「百物語 第六夜」

百物語 第6夜―実録怪談集 (6) (ハルキ・ホラー文庫 ひ 2-6)百物語 第6夜―実録怪談集 (6) (ハルキ・ホラー文庫 ひ 2-6)
平谷 美樹 岡本 美月

角川春樹事務所 2007-07
asin:475843302X

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 新たな著者(兼採集者?)を迎えて出される、毎年恒例の百物語シリーズである。 

 近年少々パワーダウンしているかなと感じていたが、二人体制がよい方に向かったのか、なかなか楽しい一冊となっている。
 ただ、怪異それ自体のクオリティよりも「恐怖」のシチュエーション、事象の解釈はさておき体験者の感情を最重要視しているために、読者によっては全然怖くないと思われるかもしれない。
 もちろん怪談フリークな私ですら旋律する話も含まれているが、全部が全部そうではないということだ。単なる偶然の一致やいたずら・勘違いとしか思えない話もまた多い。
 著者はそれをご承知だそうで、気負わぬこのスタンスをつづけていかれるそうだ。私としては楽しんだので、来夏の続刊にも期待したい。