デボラ・ブラム「幽霊を捕まえようとした科学者たち」

Deborah Blum「GHOST HUNTERS」

幽霊を捕まえようとした科学者たち デボラ・ブラム 鈴木 恵 文藝春秋 2007-05 asin:4163691308 Amazonで詳しく見る

　一九世紀の科学者、心理学者たちがいかに心霊現象と向き合い、調査してきたかのノンフィクション。

　なにしろ題材が現代でも結論が玉虫色なものであるから、当時は肯定派否定派入り乱れ学術的論争が繰り広げられていくのであった。哲学および心理学者のウィリアム・ジェイムズを中心に、たくさんの知的にして誠実な人々が死後世界の実在を証明しようと人生を研究に捧げる様子は感動的。クルックスやレイリー、ティンダル、キュリー夫人にロンブローゾ、マーク・トウェインやコナン・ドイルなど、教科書で見かけるような名だたる有名人が続々と登場してエキサイティング。

p.s.パイパー夫人は現代科学の手法で調べてみたかったな。しかしエウサピア・パラディーノの容姿を説明する手紙で「顔つきも、体つきも、歩き方も、ブルドッグを思わせます」ってのはひどいな、仮にも女性に対して…。

p.s.その２．こちらとあわせて読むといいじゃないかな。
霊魂だけが知っている