野崎六助「オモチャ箱 安吾探偵控」
オモチャ箱 安吾探偵控 野崎 六助 東京創元社 2006-12-09 asin:448801223X Amazonで詳しく見る |
実在の作家・坂口安吾を探偵とした三部作シリーズの完結編。
うーむ、なんだろう。1作目は私の持っていた安吾イメージと違っていて違和感を抱き、2作目はミステリーとしてサービスたっぷりで感心した。そして期待して読んだ、この3作目の本作なのだが…。
まず不満点。出だしから、状況がわかりにくい。時代のジェネレーション・ギャップだと言われればそれまでだが、私には降霊会の意味…というか、オトナが雁首そろえてわざわざそんなものをやる意義がわからない。そして脇役の多さ。魔矢と巨瀬少年は、必要だったんだろうか。最大の不満は、安吾自体の出番が少ないことだ。
ミステリーとしての不満は、○○術がかなり重要なファクターとして使われていること。受け入れられなくて、醒める。
p.s.私見だがオートマタを使うのであれば、偶人(からくり)館の殺人とか、乱れからくり
のような作品を読ませていただきたかった。