平山夢明「井戸端婢子 大江戸怪談草紙」
大江戸怪談草紙 井戸端婢子 (竹書房文庫) 平山 夢明 竹書房 2006-12 asin:481242965X Amazonで詳しく見る |
鬼才・平山夢明、初の時代物怪談とのこと。時代物にあまりなじみのない私にとっては、江戸と言って思い浮かぶのはTVのゆるい時代劇ドラマ。もしも、ゆるかったらどうしよう…そんな悩みは杞憂であった。
現代物の会談の切れ味はそのまま、江戸に生きる人々の息遣いすら生々しく思われるほどに、おぞましき物語が次々に語られていく。息をもつかせぬ展開である。
いつの世もまことに恐ろしきは人の心、そんなことを思い知らせてくれる極上賞編集と言えるだろう。