この小説が面白い!2006
ミステリージャンルをのぞいたBEST。来年やるとしたら、めんどくさいからフィクションとノンフィクションくらいのジャンル分けにしてアバウトにやるつもり。ここはおすすめ順で掲載。
椎名誠「銀天公社の偽月」「砲艦銀鼠号」 「波切り草」
超世界から現実よりまで。「波切り草」のみ現実よりのお話。本領はSFにこそ発揮されているような気もする。
越谷オサム「階段途中のビッグノイズ」
とってもさわやかで熱い青春小説。読後感がよい。
恒川光太郎「雷の季節の終わりに」
ホラージャンルだが不思議小説としての味わいがある。ラストには不満があるがそこまでの旅路がいい。
皆川博子 宇野亞喜良・画「絵小説」
絶品極上小説集。さらりと読めるが破壊力絶大。
山本弘「アイの物語」「まだ見ぬ冬の悲しみも」
ロボットにまつわる連作集と、骨太のSF短編集。どちらもスバラシイ。
瀬名秀明「第九の日 THE TRAGEDY OF JOY」
ロボットと自我にまつわるあれこれ。ミステリーとしてよりSFとして読んだ。
桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
絵画的な美しさが目に浮かぶ、かわいくて少しこわい小説。
こっからは万人におすすめはできないかも。ちょっとくせがあるけど印象的な小説たち。
沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」
壮絶なすれ違い恋愛小説。
朱川湊人「水銀虫」
どろどろのホラー。グロもあるが、ねっとりして人の心が恐ろしい。
金原ひとみ「オートフィクション」
1作1作新たなことにチャレンジし続けるお金さん。
光原百合「銀の犬」
アダルトファンタジー。精霊と人間の恋にしびれた。
いしいしんじ「雪屋のロッスさん」
いろとりどりの物語にうっとり。
特別賞
松岡圭祐「ブラッドタイプ」
面白いかどうかはおいといて、ぜひとも読まれるべき本。血液型正確診断をきっぱり否定する話。現実への痛烈な皮肉もこめている。高校生の必読本にしてほしい。