メアリ・ホフマン「ストラヴァガンザ 花の都/Stravaganza City of Flowers」
ストラヴァガンザ―花の都 メアリ ホフマン Mary Hoffman 乾 侑美子 小学館 2006-11 asin:4092903731 Amazonで詳しく見る |
並行世界へ旅するストラヴァガンテ達の活躍を描く三部作、完結編。
ついにシリーズ完結。それゆえか、前2作に見られたような心浮き立つような場面は減り、沈鬱なシーンが続く。サンドロとスカイの友情の微笑ましさが、暗くなりがちな空気を一瞬軽くしてはくれたが。
ファンタジーながら今回はわくわく減、苦痛増量だったので正直読むのがつらかったことを告白せねばなるまい。新たな主人公スカイはとてもまっすぐないい子だ。私も好きだ。だが、今回アリスのために行われたあのことは、善意からでありたった一度だけのこととはいえ、私にはショックだった。疑惑を晴らす手っ取り早い方法だが、それをしてしまったらストラヴァガントの意味が薄れてしまうように感じられるのだ。あくまでも、現世では不幸だがタリアでは使命を持っている、ストラヴァガンテはそういう人であってほしかった。
前2作があまりに素晴らしかっただけに、最終巻がこのように終わることは複雑な気分だ。