読書日記PNU屋

読書の記録

新堂冬樹「あなたに逢えてよかった」


大人になってもウブな女性が爽やかな青年に恋をした。
純愛新堂3部作、完結編。
告白しよう。12ページでヒロインの甘ったるい性格にうんざりし、
読むのをやめたくなったことを。
私は著者の旨味は鬼畜モノにあると思っているのだが、作家はあまりに
同じジャンルの作品ばかりを書いていると、真逆の作品をものしてしまう
のかもしれない。

二人の間に何が起こったのか、気にならないではないがあまりに
冗長なヒロインの語りに退屈した。テンションがおかしいというか、
せわしないというのかとにかく落ち着きがないのである。
過剰見栄っ張りなのにもついていけない。かなりエキセントリックな
ヒロインだよなあ。
二人を襲う悲劇はベタだが深刻なもので、ハイテンションだった
ヒロインも大人しくなり苦悩する。
そこからは確かにいい話になるんだけど、運命論みたいなところは
蛇足じゃないかと思う。
ヒロインがちょっと悩むとすかさず周囲の人間が適切な助言を与える
のも出来過ぎではないだろうか。
シンプルピュアな人でなければ感動出来ない作品なのかもしれない。