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読書の記録

北川歩実「運命の鎖 the genetic future」

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精子バンク経由で誕生した子供達の母に、精子提供者が
致死的な遺伝性疾患があったかもしれないという連絡が入る。
遺伝上の父親は失踪していて確かめようがないが…遺伝に思い悩む
人々を描く連作ミステリー。


私自身精子バンクと縁がないのでよくわからないのだけど、
ドナーの遺伝情報をレシピエントには与えないまでも、
優性遺伝疾患の有無ぐらい調査しないのだろうか。
前提にやや疑問を覚えたが、あまり類書の見当たらない
遺伝サスペンスだと思う。
サプライズ用小ネタの細かさには驚く。
欲を言えば影の薄い君保よりも切れ者の響子中心がよかった
ような気がする。