片山恭一「船泊まりまで」
仲良し夫婦、もうすぐ生まれそうな子供。
幸せに見える家族だが…静かに何かが歪み始めていた。
なんだか人生における重要なことを訴えているようで、
どうも作りごとに感じられてしまったり、私の中で評価を
定め難い小説だ。
主人公である夫の心情からすれば理解出来なくもないが、
その代償があれではあまりに救いが無さすぎないか。
それとも命をなんとなく扱ったことへの罰?
複雑な心情を差し引いたとしても、夫の手のこまぬきぶりったら
目に余る。
あの結果を引き寄せたのは彼ら夫婦自身なのだろう。
×の×原だとか×ゃ××玉とモチーフがステロタイプなのも
鼻につくところ。分かり易さが狙いなのだろうか?
それは考えすぎ?
変調していく連れと向き合わず、受け流していく主人公には
疑問を持ってしまう。
普通、あのような症状が出たら病院に連れて行ってあげるべき
ではないだろうか?それであのラストでは私は納得がいかない。