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読書の記録

瀬名秀明「第九の日 THE TRAGEDY OF JOY」

第九の日
瀬名 秀明著
光文社 (2006.6)
ISBN:4334924999
価格 : \1,785

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科学者レナと彼女のパートナー・ケンイチが遭遇した
ロボットにまつわる事件4編を収録。


出版は前後しているが、執筆順に本書収録の
「メンツェルのチェスプレイヤー」→単行本「デカルトの密室」と
読んだ方が、より楽しめそう。


「メンツェルのチェスプレイヤー」
ロボットはなぜ造物主を殺害したのか?!
デカルトの密室」から先に読んでしまったのでサプライズが
薄まってしまったけれど、緊迫感のある端正な短編。


「モノー博士の島」
機械仕掛けの鳥が飛ぶ島で、殺人予告が…。
レナが交わす議論が面白かった。
久坂部羊「廃用身」廃用身
廃用身

の世界がもっと進んだらこんな感じになるのかもね。


「第九の日」
話すイヌに導かれて、ケンイチは永遠の町へ。
ユウスケとケンイチに最大の危機が?!ドキドキの展開。
信仰を持たぬ自分には難しい描写もあったけれども
自己について考えさせられる作品だった。


「決闘」
ケンイチは彼を救うことが出来るか?
テロの嵐吹き荒れる中でも人は恋し、生きていく。
希望残る[うふふ]なラストで、本書を読んで本当に良かったと感じた。