東野圭吾「夢はトリノをかけめぐる」
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愉快な相棒・夢吉と作家が見たトリノ冬季五輪、
その夢と現実をユーモラスな筆致でおくるルポ風小説。
スポーツにあまり興味はない私は、東野圭吾だからという
理由で本書を手に取ったのだが、予想外に楽しい本だった。
それは事実と丹念な取材を基に、エンタメとしてサービスたっぷりに
再構成されているからだろう。
出だしに起きる超自然現象に引いてしまうかもしれないが、
冬季スポーツの種類と面白さを教えてくれる本である。
著者の既刊であるジャンプ・サスペンス「鳥人計画」
やスノボエッセイ「ちゃれんじ?」
についても言及されているので、著者のファンは見逃せない。
トリノはダンナに付き合って女子フィギュアとハーフパイプを
ちらっと見ただけの私だが、本書をきっかけに次回の冬季五輪は
もう少ししっかり観戦してみようかな、という気持ちになった。
バンクーバーの頃には、夢ぷんにまた「冬の魔法」がかかりますように。
p.s.作家と夢吉のコンビは教育番組によく見られる
おにいさんと着ぐるみのようだ。
本文中のモノクロ写真は、見返し部分にカラーで掲載されているので、
突き合わせて見るのも楽しい。