柳広司「シートン(探偵)動物記」
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シートンはホームズ並の推理力を持っていた?!
新聞記者が晩年のシートンから聞き出した、動物にまつわる事件の数々。
いつものこの著者らしい雰囲気の推理作品集で、
ひとつひとつのネタ自体はミステリーを読みなれた読者であれば
ほとんど真相を予想出来てしまう。
本書の魅力は、ミステリーのトリックがどうこうより、シートンの
動物愛をライトなタッチで主張してみせるところや、
創作を実在の人物と自然に絡めてみせるのがミソなのだろう。
かつてシートン動物記を好きだった向きにはそれなりに楽しめるの
ではないか。ミステリー的にはオチが予想出来たりもしたけれど、
あたたかな雰囲気ただよう連作集だった。