小森健太朗「魔夢十夜」
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今は共学となった、元女子校。そこの寮に入った恵は同室の子から
たのみごとをされる。続発する女生徒変死事件の真相とは。
ミステリー・リーグの一冊。
私はこの作家の本は初挑戦。
人里離れた学校まわりでの連続怪死に多彩な暗号などミステリーネタ
盛りだくさんである。
なのに今ひとつのめり込めなかったのは、光の当たるヒロイン・恵の
魅力が薄いせいかもしれない。探偵ならざる傍観者の宿命か彼女、
思考や行動に意外性があまりないので…。
恵よりは言葉遣いが特徴的な霞戸先輩や知念の方がキャラが立っていたと思う。
後、個人的に惜しいなと感じるのが、女子校モノでないこと。
私は女子校フェチではないけど、男子生徒がいなくても成り立つ話と
思ったので。麗々しい名前の女生徒がうろうろする様は、書き方を
変えれば萌え系ミステリーとしてもいけそうなほどだ。
そして、詳しくは言えないが全編の底を流れるとある趣向。
ミステリーの枠内におさめるより、こっちをメインに学園ロマンホラーに
してもおいしかったと思う。
ミステリー的にはちょっとモヤモヤする読後感だったのでそんな想像を
してしまった。
p.s.真相であのコが殺された訳はちょっと偶然に頼りすぎて苦しいのでは…。