笙野頼子「絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男」
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ブ貌を誇る作家・八百木千本が唾棄すべきロリコン政府に捕らわれた!
表題作ほか「センカメの獄を越えて」「八百木千本様へ笙野頼子より」を
収録する衝撃の小説集。
実は本作「説教師カニバットと百人の危ない美女」1999.01
の続編らしいのだが、そちらを未読のまま読み進めてしまった。
大丈夫いきなり読んだって面白い。
私は仕事を辞めて急速に暇化する人生に歯止めをかけるため読書し出し、
その上新刊と見ると一も二もなく飛びついてしまう性質なので、
なかなか系統立った読書が出来ない。
あれでもこの八百木せんせい、「片付けない作家と西の天狗」2004.06
でもお会いしたな。
嗚呼、行き当たりばったり読書人生をおくる私が八百木せんせいの
全貌を知るのはいつになるのだろうか。
いつものようにテンポの良い文章が快く、ハチャメチャに見える世界で
ありながら気づけばそこは我々が日々生息する世界のデフォルメされた
エッセンスがリアルさ背筋凍らせるほどに詰め込まれているのである。
無責任にエンタメ&フィクションとして消費するには、此処に描かれた
闇はあまりに大きく、笑っちゃうくらいバカバカしいのに心底おぞましく
恐ろしい…と思えたのだった。