読書日記PNU屋

読書の記録

筒井康隆「壊れかた指南」

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2000年〜2006年に発表された30編の短編を収録する、
摩訶不思議小説集。


著者を想わせる男性が主人公のことが多く、現実世界にはありえない
突拍子もない展開の話が多い。まさに夜見る夢の内容のように…。
その中から私が読んで面白かった、気に入ったという作品のみ下記に記しておく。


「御厨木工作業所」「建設工法展示館」のように、
日常に似てはいるけれど異質な世界が好きだ。


「優待券をもった少年」あくまで優雅な少年が、最後に言い放つ台詞が鮮烈。


「犬の沈黙」これまたスーパーナチュラルな話だけれど、
成り行きに不思議と納得してしまう。


便意を催す顔」便秘に苦しんでいた男が発見した奇怪な事実とは。
可笑しくて、ホントにありそうなところがほんのりコワイ。


「耽読者の家」読書家にとって夢のような家とは。
本好きならばうんうんとうなずいてしまうような世界。
静かで素敵な時間が流れていく。私は不勉強で、ここに出てくる作品の
3分の1も読んだことがないのだけれど、クラッシック・エンター
テインメントのブックガイドにもなりお役立ちで、気分爽快な作品だ。