マージョリー・クォートン「牧羊犬シェップと困ったボス」
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ブルーの血統書を持つシェップは優秀な牧羊犬。
ボスがピンクの血統書を持つ高級なメス犬ジェスを買って来たのだが、
彼女ときたら…愛すべき素朴な人々の、ユーモア牧羊生活物語。
シェップは犬だから、英語の綴りにうとくて同音異義語をごっちゃに
するなど微笑ましい間違いを良くするのだが、ここらへんは英語が
不得手な自分には理解しづらく、その面白さを享受出来なくて残念であった。
お調子者の人間達をクールに眺めるシェップだが、彼もやはり犬、
人間と共同生活をして数千年の犬族の一員であるので、ダメな人間達を
こよなく愛しているのである。
そのダメな子を見つめるがごとき犬の人に対する愛がなんとも可笑しく、
そしてせつない。
シェップにしろジェスにしろ、たいへん人間くさい犬で、
私は現実の犬はここまで理論的な思考をしているとは思えないのだが、
まあ犬好きなので楽しく読んだ。