読書日記PNU屋

読書の記録

北村薫「紙魚家崩壊 九つの謎」

Amazonで見る


ホラーテイストだったりファンタジックだったり様々な味わいの短編集。


「溶けていく」
健康食品会社に入った女の子。
これは好みじゃなかったな。わざとなんだろうけれど描写がわかり
にくくて。ヒロインは寂しいの?なんだか弱すぎる気がしないでもない。


紙魚家崩壊」
本の収集が趣味の夫婦に起きた悲劇。
これは楽しかった!ミステリーのウンチクを含め全てが理解出来たわけ
ではないけれど、なんともセンス良きナンセンスぶりが面白い。
続く「死と密室」も同じ探偵コンビが登場。
この二人のシリーズもの出していただきたくなるほどだった。


「白い朝」
夫婦の会話。日常の謎をスパイスにきかせた可愛い物語。


「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」
千春さんと日常の謎がほのぼのさせてくれる。


「蝶」
ふとしたことで食事することになった男女。
淡々とした会話の雰囲気は良いが、楽しみどころが理解出来ず…。


「おれの席」
友人と麻雀三昧のはずが…男が迷い込むのは日常の罠か。
ありそうな不条理を描く苦い味わいの作品。好みにあらず。


「新釈おとぎばなし
あの有名な童話の裏側にあるものを遊び心たっぷりに探る作品。
ユーモアはあるのだが、So what?と思ってしまう私のような読者
には向いていないのかもしれない。


だから何?が同感でたまらないキノさんの書評はこちら↓
http://clp.rdy.jp/book/log/eid138.html