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読書の記録

首藤瓜於「刑事の墓場」

刑事の墓場
首藤 瓜於著
講談社 (2006.4)
ISBN:4062133377
価格 : \1,785

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刑事の墓場と呼ばれる動坂署は、左遷された刑事が集う陰気な場所
だった。失態の覚えもないのに墓場送りになってしまった
雨森刑事だが。


主人公・雨森の過去が徐々に明かされて行くにつれ、
なぜ彼が左遷されたのかがわかるのだが、そこまでが奇妙な
展開だった。謎かと思われたことが次の瞬間明かされたり、
何でもないようなことが後々響いて来たり、何とも不可思議
なのである。
変人が続々出て来るところなどは、霞流一作品にも通じる
ものがあるだろうか。
ただ、事件そのものは複雑ではないし、妙にアッサリしている
ところがちと物足りなくもある。
警察内の派閥闘争などもっとギラギラしているかと思ったのだが、
それだと横山秀夫の警察小説になっちゃうか。
全体として薄めの味付けだったので、次回はもう少し濃い謎を希望。