群ようこ「かもめ食堂」
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料理好きのサチエは、フィンランドで憧れだった食堂経営をスタート。
お客のオタク青年や流れついた日本人にサチエマインドが浸透してゆく。
映画原作のための書き下ろしとのこと。
そのためか、いつもの「群」節とも言うべき強烈な人物は出て来ず、
群マニアにはそこが物足りないかも。
サチエの境遇も都合良すぎると思うし、
ミドリなど、お嬢様ゆえなのかありえないほどのお人好しだし。
遠い自然豊かな外国だから居心地が良いとシンプルに信じられない。
地元民の悩みもちらりと出てくるが、あまりにライトに過ぎて歯ごたえが
ない。
ほとんどの登場人物が優しく思いやりがあり、ほんわかほのぼのしていて
読み心地良い本ではあるが、ライトすぎて自分には物足りなかった。
ところどころ笑える台詞などあるものの、こんな大人しい物語を
どのように映画化するのかちと気になった。