大藪春彦「挑戦者」
単行本初収録作を集めた短編集。
巻末に著者年表および作品リスト付き。
「深夜の銃声」「港の銃声」
ジュブナイルとして書かれた作品だという。
子供向けにしてはショッキングなシーンもあるが、主人公・昌ちゃんの
正義を愛する気性に安堵。純ちゃんなど、小学生なのにしたたかでワル
すぎるように思うが、そこには著者が幼き日に味わわされた苦労と苦痛が
投影されているのだろうか…と勝手に想像してしまう読者であった。
「挑戦者」
城猛彦、奮戦す。アクションと銃撃戦の描写が迫力。
「黒い死の影」
暗い過去持つ江戸雅彦は、南アで豹狩りをするが。
紛争時代の話をもっと読みたかったなあ…
個人的にハンティングは好きじゃないので。
「アイヌ犬の咆吼」
アイヌ犬小説アンソロジーに書き下ろされた作品だそうである。
狩猟の人犬コンビネーションが生き生きと描かれている。
以上読んで来て、なんだかいいところでラストを迎えたり、
むずがゆい思いになった…が、
過剰な装飾を省いた簡潔な文章には好感を持ったし、
アクションシーンは面白いので今度は長編を読んでみたく思った。
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