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読書の記録

皆川博子「蝶」

蝶
皆川 博子著
文芸春秋 (2005.12)
ISBN:4163245308
価格 :1,500円
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戦争と孤独をえがくせつなくも美しい短編集。
「空の色さえ」「蝶」「艀」「想ひ出すなよ」「妙に清らの」
「幻燈」「遺し文」「龍騎兵は近づけり」を収録。

実は、今回私はこの本を読んでからメモもとらず一ヶ月以上が
過ぎ去ってしまい、ロクな感想を書くことが出来ない。
記憶のよすがにしようとアマゾンやbk1の書評コーナーを
さまよってみたが、まだ現時点(06.2.24)ではレビューは
ついていないようだ。やはりいっぱしに書評を気取るならば、
こまめに更新していかねばと反省した次第。
 
覚えている範囲で書くならば、戦争で孤独になった人々に
焦点をあてていく短編集といえるだろうか。
そこはこの著者であるから妖しく美しく、えもいわれぬ雰囲気に
のせて話は進んでいく。読後はなんとも苦くせつない余韻が残り、
たいへん素晴らしいのであるが、そこは皆川作品であるから、
もっともっと刺激的で極彩色の物語を期待してしまうのは、
読者のわがままであろうか。

p.s.色濃いフリークス趣味もちらり。