読書日記PNU屋

読書の記録

面白いって!!!何!!!

ちょっと私の話を。
この間、相方が電車で出張するので何か面白い本をよこせと言う。
前日に言ってくれればじっくり選んだものを、
なにしろ本がジュウタンのごとく床に敷き詰められた書庫は長年
魔窟と化しているから、そうそう目当ての本が掘り出せるわけがないのである。

私のオススメヒイキ作家と言えば、友成純一平山夢明なのだが
あいにく相方はスプラッタやグロテスクの美がお気に召さない。

勉強になり、なおかつ興味深くインタレクチュアルな
佐久間英珍姓奇名
を手渡そうとしたが、

「読む気がしない。アンタとオレって好みが違う」
と、つっかえされる。

悩み抜いたあげく、万人に好まれる軽いエッセイものが良かろうと
三田誠広すずめ台駅前情報局
を持たせた。とにかくラスト近くの文学賞選考会のくだりは読むべき
価値がある、と言って。

しかし…帰宅した相方の感想は、

「くだらないね」

であった。私の受けたショックは絶大なものだった。
自分の基準でいけば最高級に面白く、
死ぬまでに読まなければ人生の損失であり、
もうまさにウルトラスーパーデラックスハイパーシュープリームに
面白い、殿堂入りプラチナ本が「くだらない」の一言で片付けられた
のである。

血の気ドン引きな私に、相方は
「つまらないっていうんじゃないけど。」
とフォローしていたが、時すでに遅しである。

もう、相方には二度と本をすすめない。

と心に誓うとともに、
(相方は)村上春樹が好きなんだからハルキを100回読んでろ。

などと思いつつ、本の面白さってなんだろう、と考えてしまった。


たとえば、最近たいへんに評判のよい作品を読んだのであるが、
私はそのストーリーと設定に違和感をおぼえ、ヘンだな変だなと
思ったら衝撃のラストになり、ああそういうことなら仕方ないわ、
と思ったのだが…これは某辛口毒舌で知られる書評家さまも絶賛の
本なのである。
でも自分には用事がなかった。
これで泣けないと悪人になってしまいそうだ。
だが、自分のサイトでまで心を偽るのはやめよう。


私は

フィリップ・クローデル

「リンさんの小さな子」で

感動できませんでした!


そういうこともあるので、万人受けする本なんて無いんじゃないかと
思う今日このごろ。本の面白さって、いったいなに〜!とネットの片隅で
叫ぶ夕べなのであった。オチはない。合掌。