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読書の記録

清涼院流水「ぶらんでぃっしゅ?」 

ぶらんでぃっしゅ?
清涼院 流水著
幻冬舎 (2005.11)
ISBN:4344010701
価格 :1,680円
通常24時間以内に発送します。
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生まれる前に、母の胎内で聞いた謎の言葉…
それは“ぶらんでぃっしゅ”。
生まれた赤ん坊・ナイトの中に、インナーアダルトとして存在しつつ、
ぶらんでぃっしゅの謎を探るが…。
 
ああああほらし。
うん、これ途中まではほんと読むのやめようかと思った。
こじつけ・苦しげなダジャレ大作戦で、言葉遊びにさほど興味のない
私には本を投げそうになる展開だったのである。
夜通し元ネタ考案で騒ぐなんて、ヒマなんですねと思ってしまう。
 
しかし、ラストこの印象は覆った。これは立派なミステリーだったのだ。
豊富な言葉遊びは、真相からミスリードするための仕掛けだったの
かもしれない(もしくは、作者が好きなだけかもしれない)。
 
インナーアダルトという超常的な設定をキチンとラストで
おとしてみせるところにわくわくしたので、この評価にした。
このラストならば、中盤のクダらなさを耐えた甲斐があるというものだ。
存外に感動的なラストには(そこまでがアホらしかっただけに)
驚かされた。

p.s.森博嗣西尾維新らビッグネームが言葉遊びネタで参加
しているのもミソ。
読後感は、島田荘司「×デ×の×題」とややシンクロニシティ