読書日記PNU屋

読書の記録

江本創「七つの大罪」展

pnu2006-02-12


銀座の青木画廊・江本創「七つの大罪」展。

ひとりで行って来ました〜!
超弩級方向音痴の私ですら迷わず行けたんで、
わかりやすいロケーションなのでは。

もともとUMAとか、荒俣宏の怪物本などが
大好きな私のこと、もうツボに直球剛速球でめろめろに。

標本のようにひそかにたたずむ生物たち
(死骸など天然素材は使わず、紙と染料だけで
驚くべきリアル質感を出しているのだそう!)
は、グロテスクながらもどこかユーモラスで愛らしい。
そう、かわゆいのである。
それは15〜40cmほど(アバウトな目算)という
小ささのせいもあるのだろうが、
今はカタチとして固定された創作生物たちの、
生前の姿すらまぶたに浮かびそうなほど、
素晴らしいできばえなのであった。

生物学専門でない私だが、医学部でかつて昆虫、
両生類からほ乳類まで幾種類も解剖してきたその私から
見ても実にリアルで、この骨格なんて本物の動物の
ものなのでは?と、つい思ってしまうほどであった。

紙からこのような生物が創造され得ようとは。
想像する者こそ、まさに神。


あまりにラヴリーすぎるので、お買いあげしたかった
のだが、小さな作品でも8〜10万円。
毎月ウン万円、学費ローンを払ってる自分には、
分不相応か…と涙をのんであきらめる。

ああ、私がお大尽であったならば、作品を全部買い占めて
江本創先生ミュージアムを設立し、毎日眺めて悦に入るのに。

あああ、購入予約した人がうらやましい。
嫉妬の炎で焼かれそうだ。

サイトにある作品は一部で、「七つの大罪」の同テーマ
で生み出された生き物の、それぞれ異なる形状を比べ見る
のも面白い。

「嫉妬」の生物が緑がかっていたり
(緑は嫉妬の象徴の色)、
「怠惰」が亀を想起させる体躯であったりなど、
もうわくわくの展示なのであった。

「憤怒」で目や口からなにやら飛び出しているのも
ものすごいし、
「色欲」のズバリなデザインにはニヤリである。

「暴食」の口はほんとにガツガツ食べそうだし、
「貪欲」は蛸足がどこかクトゥルーを思わせて深く、
「傲慢」のトサカと翼はひれふしたいほどに神々しい
のであった。

受付にいらした方がなんと御本人で、
興奮と緊張の極致にあった私は感想を述べるのも
しどろもどろになっってしまった。

残念ながら「七つの大罪」シリーズのカタログや写真集
は出ていないようなのだが、
他シリーズの本が出ているようなので絶対買う!!

18日まで開催とのこと、皆様にもぜひ目撃していただきたい
小粋で素敵な生き物たちであった。

幻獣標本博物記
江本 創著
パロル舎 (2004.2)
ISBN:4894192837
価格 :2,100円
通常2-3日以内に発送します。
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