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読書の記録

津原泰水「アクアポリスQ」

アクアポリスQ
津原 泰水著
朝日新聞社 (2006.1)
ISBN:4022501502
価格 :1,470円
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水上にうかぶ都市に暮らす少年・タイチは、都市の存亡をかけた
闘いに巻き込まれてしまう。エンプティとは、Jとは何なのか?
メタモルフォーゼと妖怪と魔導師の物語。
SFちっくな伝奇ホラーだろうか、「牛鬼」「濡れ女」との関連性に
斬新な解釈を加えてみせるところなどはさすが…なのだが、いかにせん、
設定の割に短すぎるというのか、大急ぎで話が進んでしまうので
やや設定がわかりにくいきらいがある。マヤラインってなに?という
感じだし。ムードを味わうだけならばいいのだが、サイトとタイチの
関係やJの魅力をもっと詳しく読んでみたかった、それは野暮だろうか。
そのボリュームゆえ成功したとは言い難いのだが、
捨てがたい魅力を放っていて好きだ。
悪夢のように、自他の境界ゆらぐところも幻想的。 

p.s.池上永一シャングリ・ラオンライン書店ビーケーワン:シャングリ・ラ2005.9
と設定が少しだけシンクロニシティ