読書日記PNU屋

読書の記録

岩井志麻子「瞽女の啼く家」

オンライン書店ビーケーワン:瞽女の啼く家2005.10集英社\1,470
 

目の見えぬ女たちが集う屋敷。そこに現れる牛女とは? 
舞台は岡山、霊感女も出てきて、これはかの傑作「岡山女」
のようになるのでは?と思ったら期待はハズレた。
 
惜しいっ。前半はキッチュかつ不気味で面白かったが、
後半はエログロになっていて…私この著者の官能ホラーというやつは
好きではないんだよなぁ。女たちの秘密などはそんなことじゃないのか
なぁと予想がついたけれど、迫り来る怪異、
気付くと息づかいを感じるほどそばにいる死霊にはぞっとさせられる。
見えぬものをありありと感覚的に描写するのはこの著者ならではの
うまみなので、官能よりそちらを生かしていただけると好きなのだ
けれど。