読書日記PNU屋

読書の記録

響堂新「白魔の湖」

オンライン書店ビーケーワン:白魔の湖(うみ)2005.10角川春樹事務所\1,995
 

南極大陸を探検しようという日本の若者たちは、不慮の事態から
ヴォストーク湖掘削キャンプにしばし身を寄せることに。
人跡未踏の氷の下から、謎の光るタンパク質が発見された。
これは未知なる清明なのか?その後、キャンプを恐怖が襲う…。
 
良くできたホラーSFサスペンス・エンターテインメント。
ただ一点を除いて文句はない。
それは…この作品の筋立てが、某映画によく似ているということだ。
ホラーSFの名画「××からの××X」に。氷上の舞台、怪物の性質
そして弱点が、まるきり同じではないけれども似ているのである。
となると、後発である本書には映画を超えるだけのニュー・サプライズ
を期待したいところなのだが…。学術的な描写がさすがとはいえ、
ストーリー上で私がこれは!と感じるところが少なかったのであった。
日本からの若者たちが無謀かつ青い悩みを抱えており、
そこは青春小説として評価出来るのかもしれないが…。
もちろん私が映画より先にこの小説を読んでいたら、面白さに★4つは
固かったろうと思う。それだけに類似点を超える輝きを感じられず残念。

p.s.著者が「遊星×××物体×」をご存知なかったら、
それは偶然の一致であり私の上記の文章は無意味なものとなることを、
一応お断りしておく。