石田衣良「東京DOLL」
2005.7講談社\1,680
ミリオンヒットを飛ばし、マスター・オブ・ザ・ゲームと
呼ばれるMGは、コンビニのレジの女性に新作のインスピレーションを
感じ、モデル契約する。その少女・ヨリには不思議な力があり…。
エロティックな純愛小説。
なんだかお互いステディな関係の恋人がありながら、
自分の気持ちに正直なんだもん、とばかりに欲望に身をまかせていく
ところが今風なのか。
深夜の撮影で悪のりする二人には首をかしげてしまうし、
くっつくなら先に、従来の関係を清算してからにしろよ〜
お手軽に流れるなよ〜と思ってしまうのは、私が古風な貞操観念の
人間だからかもしれないが…。
背中のタトゥ画像を、会社の人間に見せてしまうのって、どうよMG?
自分たちに陶酔する二人にあきれながら読み進むうち、ヨリの
不思議さが発揮されはじめ、どんどんついていけなくなる。
でもそのベタさ加減をこそ、或る意味(…ギャグとして)楽しく読めた。
p.s.呼び名が「MG」ってどうなのよ。エム爺って感じがするがなぁ…。
カバー写真の少女は二重まぶただが、ヨリは一重なのだそうだ。
揃えた方がよくない?
そしてゲームってこんなに現実のモデルに依存するものなの?疑問。