佐藤哲也「サラミス」
ペルシア国王クセルクセスは、夢に神を見てギリシア遠征に乗り出す。
圧倒的なペルシア勢の前に、ギリシア連合はいかに闘うのか!?
やや、これは読みはじめがきつかった。
何しろサラミスの海戦?世界史で習ったなー、でもどっちが勝ったのか
忘れちゃった〜などという歴史音痴の私であるからして。
それでもなぜ読んだのかと言えば、佐藤哲也という小説家の面白さに
期待して、なのだ。
はじめはスパルタ人エウリュビアデスとか、アテナイ人テミストクレスなど
のややこしき人名を覚えるのに、我が脆弱なる脳細胞は限界を感じつつ
あったものの、徐々に状況が読めてくるともう一気読みであった。
この、緊迫した場面でも独特なユーモアによるほのぼの感がただようのが、
いいんだよなぁ。
海戦の迫力よりか決戦前の会議での権謀術数が大いなる見所。
p.s.ところで、ペルシア王・クセルクセスのそばで書記を
していた人は、だれ?「親愛なるオイバレスへ。」という書き出しで
手紙を出していた、あの人は。ネットで調べてみたところ、
「オイバレス」という人はダレイオスの馬丁、
ダレイオスというのはクセルクセスの子であることがわかった。
ということはつまり…答はきっとヘロドトスの著書
「歴史」上・中・下にあるのだろう。