メアリ・ホフマン「ストラヴァガンザ２ 星の都」
2005.8小学館\2,520
義兄から陰湿ないじめを受ける少女・ジョージアは、異世界に
時空を超えてストラヴァガントしてしまう。
その街・レモーラでは、星競馬が行われることになっていた。
今回も興奮の三部作・第二弾。
義兄に罵倒されるヒロイン・ジョージアがあまりに哀れで
ツカミはばっちり。彼女がストラヴァガントした先の世界で会うのは
ルチアーノ（前作の主人公・ルシアン）だ。前作で衝撃の体験をした
ルシアンが、タリア人として生活する様子、そして現実世界での
彼の家族がどのような暮らしをしているかまでが描かれ、
ハートをつかまれてしまうのだった。
現実世界でのサスペンスフルな状況から脱出して
夢のような異世界に旅するジョージア。しかしその世界レモーラも、
美しいだけではすまず、血生臭い陰謀が渦巻いていたりもする。
現在と異世界とを行き来する設定もスリリングで面白い。
前作の人物および設定をふまえながらも、大胆な展開とせつなく
美しい展開が魅力的な作品。久しぶりに、読書で先の読めないワクワク感
を味わうことが出来た！
三部作とのこと、次巻での完結が楽しみではあるが、続編がもう出ないと
思うと寂しい気持ちだ。
