ディヴィッド・アーモンド「火を喰う者たち」
2005.1河出書房新社\1,575
キューバ危機の時代。海辺の田舎町に両親と暮らすロバート(ボビー)は、
ある日市場のかたわらで自らを見世物とするいかれた男・マクナルティーに
出会った。奇跡は果たして…?
いきいきとしてリアルな少年・ロバートのピュアな思いがぐぐっと伝わる本
である。いい本である。でも、私の好みではなかったのだ…。
奇跡を信じる少女エイルサや都会的なダニエルなどの友人と主人公の
交流はステキだった。信仰を持つ人にとっては素晴らしい本であろう。
でも、私のように現実のむごさに失望してしまったようなすすけた人間には、
残念ながら合わないのである。マクナルティーの意味ってなんだろう、
痛みや自らが傷付くことを恐れぬ勇気?
しかしそれにしては、あのラストは…?
奇跡を扱ってはいても、無償ではいられないということ?
尊い犠牲?素直に感動出来れば良かったのだけれど、どうやら私の
理解を超えている本のようだ。