霞流一「羊の秘」
2005.2祥伝社\920
見た夢を語り合う「ドリーキング」を行う会の一員が殺された!
奇怪な状態で発見される死体。犯人はなぜヒツジの見立てを行ったのか!?
毎度動物モチーフの見立て連続殺人を華麗に披露してくださる
著者だから過度に期待してしまったのか、それとも私のひいきの紅門
シリーズでなかったからか、私の満足度は低めであった。
コロスケ警部をはじめとする登場人物に、いまいち魅力を感じられ
なかったのがその理由かも。ベタベタせずに突き放した人物描写で、
そこが好ましくもあるのだけど…。
見立ての理由は見事に説明されている。だが、それまでの道程で
読み疲れてしまった。ミスリードのためではなく真相究明のためとはいえ、
ウンチクが続くのもつらいしいちいち人物を動物にたとえるところも
あまり面白いと思えなかったのである。う〜ん、ウサギが見立ての
紅門シリーズ「ウサギの乱」は面白かったのだがなあ?
夢を語る場面はそこそこ楽しかったけれど、やはり思い入れの出来る
人物がいなかったのが入れこめなかった理由だろうな。
ライトに見えて、毎回ドカンと衝撃的なラストを用意してくれるのは好きだ。
p.s.新書版の表紙は、ヒツジぬいぐるみで可愛すぎる〜。