読書日記PNU屋

読書の記録

愛川晶「六月六日生まれの天使」

オンライン書店ビーケーワン:六月六日生まれの天使2005.5文芸春秋\1,950


気付くと見知らぬ男の部屋にいた女。女はどうも自分に関する記憶を
失ってしまったらしい。記憶と男女のサスペンス。
 
えろえろ。

読むのがきつかった。
誰一人として私にとって魅力的な人物がいないのだもの…。
悲しい過去を背負っているらしいのに、みんな妙に露悪的だし。
 
ミステリーらしい設定でわくわくさせてくれたのは最初だけで、
男の詳細が判明していくにつれ、なんだかそれってベストセラー
○川○子「○士の○した○式」+××るみ「イ×シ×ーシ××・×ブ」
なんじゃないのかねー、と思えて来た。
 
ツナギがなじんでおらず、ちぐはぐなのも気になるところで
カンボジアがそんなにメインストーリーにからんでくるとは思えなかったし
(要するに読むのがつらかった)、そんなに濡れ場(しかも女性蹂躙型)を
挿入する理由もわからないし、カタルシスもほとんどないし。
まあ、私の好みとは全くはずれていたということで。
 
巻末インタビューは面白かった。作家と読者の考え方の差みたいなものが
わかって良かった。

p.s.記憶の設定から乃南アサ「6月19日の花嫁」みたいなのかな、
と思ったら全然違うタイプの話だった。