読書日記PNU屋

読書の記録

たらいまわし企画・第13回

tara

夜。見えないから、恐ろしく不安。
でも、見えないからこその安堵や優しさもある。
そんな矛盾する性質をも深く内包する夜が似合う本は、どんな本だろう。

私が読書指南にと、いつも拝読している「Ciel Bleu」の四季さんが、
今回主催なさっているとのこと。しかもテーマは
「妖しく美しく…夜の文学」というむしゃぶりつきたくなるような
素敵なもの。

参加にあたって、かぶらないように皆様のサイトをまわらせていただきました。
初参加なので、何か間違っていたらご指摘くださいな。
テーマに合いそうな数冊を選ぶ&主催者blogにTB…と解釈したのですが。



夜に似合う妖気と美学を持った国内ものを3冊選んでみました。


真っ先にこれだ!と思いついた津原泰水「綺譚集」は、ちょろいもさんがhttp://blog.livedoor.jp/choroimo127/archives/22360649.html
で紹介してくださっていましたので、私は同著者の「赤い竪琴」を。

オンライン書店ビーケーワン:赤い竪琴


純愛ものです。
なのに、なぜ夜の本なのか。それは明るいとは言えぬ恋の道行きゆえ。
未来はないかもしれない、それでも絶望を凌駕する恋の力と激しさを感じます。



牧野修「楽園の知恵、あるいはヒステリーの歴史」

オンライン書店ビーケーワン:楽園の知恵


これは沼正三の流れを継ぐ(と私が勝手に思っている)闇色の文学。
シュールな世界観に酔いしれ、読めばもうとりこなのでした。
おどろおどろしいだけでなく、物悲しかったり不思議だったり、
美しい話も含まれていて、夜的感覚の短編集です。


ラストはこれ。皆川博子「薔薇密室」とどちらにしようか悩んだけれど、
この完成度とセンス・オブ・ワンダーにやられたということで選びました。




井上雅彦「燦めく闇」

オンライン書店ビーケーワン:燦めく闇


自選短編集なので、著者の美学を存分に味わえて素敵。
美しすぎて怖くないかもしれないほど。




海外文学にも

ダン・シモンズ「夜更けのエントロピー」や、ラヴクラフト
クライヴ・バーカーの諸作など素晴らしい闇の本がありますが、
割愛させていただきました。


末筆ですが、もし〆切等があって過ぎていたらごめんなさい。