三津田信三「十三の呪 死相学探偵1」
十三の呪 死相学探偵1 三津田 信三 角川 2008-06-25 asin:4043902018 Amazonで詳しく見る |
彼にはもうすぐ死ぬ人がわかる…ホラーミステリー。
あの「〜の如き〜もの」シリーズの著者が書き下ろした新シリーズというのだから、どうにも期待は膨れあがってしまうのだが、期待した内容とは異なる小説であった。
まず、カバー画から見てそっち方面を狙っているのかもしれないが内容は軽くてラノベ風。最もエキサイティングであるべき屋敷での怪異部分で飽き飽きしてしまうとは、読む前には思いもよらなかった。
一読者の勝手な感想だがこのネタ(怪異&真相)ならば、本書のような長編ではなく短編に使ったらダレなくて済んだかもしれない。ラノベ風味というのは主役の性格もあって、異能力を持ちながら事件に乗り気でない霊能探偵ならば神永学「心霊探偵八雲」とまるかぶりなのもイタい。
続編構想もあるようだがいつもの三津田小説の濃厚な味わいは望むらくもなさそうなので、読むかどうかは微妙だ。