有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」

ペルシャ猫の謎 有栖川 有栖 講談社 2002-06 asin:4062734508 Amazonで詳しく見る

　アリス＆火村の国名シリーズ短編集。
　ミステリー色の薄い作品も入っており、火村ファンブックの様相を呈している。著者あとがきで知った創作の背景が興味深い。ただ、表題作のオチの付け方が、なんとも座りの悪い感じだ。謎の魅力に対し、解決編のカタルシスが釣り合わないのだ。ミステリーの醍醐味は魅力的な謎と、その合理的な解決にあると思っているので、このラストは好みではないなあ。一度ならば許せても、こうした作風が続くと心が離れてしまいそうではある。