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読書の記録

大倉崇裕「聖域」


聖域
大倉 崇裕

東京創元社 2008-05
asin:4488024343

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 大学山岳部の同胞だった男が遭難したと知らされた主人公は、彼があんな山で死ぬはずがないと調査を始める。山岳ミステリー。
 山に興味ない私にもわかりやすい描写、魅力的な謎、キャラクターと揃っていて、感動的なエピソードもあるのにもかかわらず、作中世界にのりきれなかった。おそらくそれは、読んでいて最初に浮かんだ疑念……もしかしてあの人がそうなのでは……でも、そんなのありっこないわ山を舐めすぎよね、と思ったことがズバリ真相だったので、それで拍子抜けしたのかもしれない。

p.s.単行本の装丁がすごく凝っていて、見返しに使われている特殊紙が岩石みたいなその名も「岩はだ」だったりとか、遊び紙がこれまた岩肌のような「タントセレクトTS-2」だったりして、装丁者のこだわりを感じた。
何のことかなという方はコチラの特殊紙サイト索引で色見本を探してみてください↓
http://www.shimeitehai.co.jp/abc/index.htm

p.s.その2 自分は山岳ミステリーだったらコレ
http://d.hatena.ne.jp/pnu/20050503(短編集だが)の方が好きだなあ。