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読書の記録

雨宮淳司「恐怖箱 怪医」

恐怖箱 怪医 (竹書房文庫 HO 48)恐怖箱 怪医
雨宮 淳司 加藤 一

竹書房 2008-02-27
asin:4812433940

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 医療に携わる著者が見聞きした、病院と病気にまつわる実話怪談集。
 あああごめん。合わなかったわ。教師が金八先生とかごくせんのドラマ見て、こんな教師いるわけねーよ、と思うのに近いかなあ。あくまで、私の知っている現実と本書の間に乖離があるというだけで、内容に難癖をつけるつもりはない。私は好きじゃないが、こういうタイプの怪談が好きな人は多いみたいだし。そして、別にこの本がごくせんとか金八先生っぽいわけでもない(←比喩だから)。もう隠居の身の私だが、同じギョーカイモノは楽しめないのかもねえ。
 俺っち、「世の中に実話怪談のなかりせば我の心はのどけからまし」ってくらいなもんでね、実話怪談ときたらこれはもう何がなんでも褒めまくりたいの。でも、好き嫌いが激しくて潔癖症でかつムダに正直だからできないの。
 病気そのものよりも、怪奇現象が光る「ディプロピア」、ユーモア薫る「おまけ」「ぞろびく」、マッドな真相がステキな「回廊」は好みなのだけれど、「泡音」「饂飩」はありえねーべ、ってのが元医者としての率直な感想。