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読書の記録

黒史郎「獣王」

獣王 (幽BOOKS)獣王 (幽BOOKS)
黒史郎

メディアファクトリー 2007-11-28
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 動物園の飼育係をしている男が出会った不思議な女性。彼女は次々に動物に擬態してゆくのだが…ホラー小説。

 あ、気にいらなかったんでファンの人はゴメンね。
 なにしろ、ふだん耽溺してるのが友成純一小説だからさ。新堂冬樹の鬼畜系小説でもヌルかったりするからさ。グロさでは友成・平山未満、耽美さでは井上雅彦未満というのが率直な感想。
 ただ、生き物が生きる姿を可愛いとか尊いとか世間では言うけれど、生のイトナミは、ほんとはどれもこれもグロテスクなものかもしれない、そんなことを突き付けてくれるところは評価したい(って何様だ、オレ)。
 主人公が動物を架空世界の住人になぞらえて呼ぶ意味がわからない。自分もかつて魔物フェチだったから言わせてもらうけど、悪魔なら悪魔、妖怪なら妖怪に統一しないかな?
 メジャーどころは漫画「うしおととらうしおととら」や「ゴッドサイダーゴッドサイダー (1) (集英社文庫―コミック版)に出てくるやつだから、漫画好きならイメージしやすいかも。
 しかし、キョウコに魅入られた生物は云々、は「レベルE」レベルE (vol.3) (ジャンプ・コミックス)の女王と設定がまるかぶりなので気になる。
 擬態に限れば三崎亜記「バスジャック」バスジャック収録短編の「動物園」みたいでもあるな。あれも擬態するのって女だし。