須藤なほみ「Dr.半熟卵のつぶやき 産婦人科医の日記」
Dr.半熟卵のつぶやき―産婦人科医の日記 須藤 なほみ ぜんにち出版 2006-04 asin:4861360919 Amazonで詳しく見る |
現役産婦人科がおくる、女性が心身ともに健康でいるためのアドバイス。
今ゆえあってネット発の書籍をリサーチしているので、読んでみた。
乳がんや子宮がんの検診の意義を説いたり、避妊や女性のカラダについてわかりやすく(ココ重要!)解説したりと有用な部分も多いのだが、著者はスピリチュアル信者なので、私のような科学信仰の人間には合わないのだった(なにしろ負の感情のしこりが筋腫になると言っておられるし)。
占いとか大好きな女の子が読むにはいいのかな?そうでないとトンデモ本に思えてしまう。
ピル推進およびスピリチュアルおすすめ啓蒙本であって、少なくとも「産婦人科医の日記」ではないな。
そのピルにしても、飲めない人は少ないとか自分は飲んだけどよかった、ってメリットがたくさん書かれているけど、デメリットはあまり触れていない。薦める以上、ピルの欠点も書いておくべきではないだろうか。
私がこの本を受け入れられないのは、スピリチュアルがキライだってのが大きい。私、占い好きで迷信深い祖母と母に育てられさんざん迷惑をしてきたので頑迷な科学信仰なのだよ。それで不幸ならばスピにも転ぶかもしれないが、今充分ハッピーなのでねえ。スピリチュアルに興味がわかないの。
ついでに言えば、本書で紹介されている「赤ちゃんが親を選んで生まれてくる」という考え方も好きじゃない。私は不倫夫婦の略奪愛婚の原因になった子だからだ。自分で選べるのなら、わざわざこんなクソ夫婦のもとになんか生まれてこないよ。それに世の中、子を殺す親が案外子だくさんだったりするのはどう説明するの?子を虐待する夫婦のもとに生まれてきたいなんて、思わないんだけど?前世のカルマとかなんとか?ざーんねん、前世も信じていないからなー。私には用事のない概念なので。
この世は楽しくておそろしい、善人がいきなり殺されることもあるし、悪人がのさばることだってある。世の中をのりきる法則なんてない(たぶん)。だから人生は怖くて意義深い(たぶん)。すべては畏怖すべき大いなる偶然でしかない(きっと)。
スピリチュアル信者の人を否定はしない、自分がそれによってハッピーなら信じればいい、ただそれを私に薦めてくれなければいい。末筆だがスピリチュアル信者の方と論争するつもりもないことを、一応付け加えておく。