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読書の記録

セバスチャン・フィツェック「治療島」

治療島治療島
セバスチャン・フィツェック 赤根 洋子

柏書房 2007-06-21
asin:4760131671

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Sebastian Fitzek「Die Therapie」
 テレビにも出演する人気精神科医ヴィクトルの愛娘が失踪した。手がかりのないまま四年が過ぎ、打ちひしがれたヴィクトルは島に静養に行く。しかし、その島こそが終わりの始まりの場所であった。企みに満ちたサイコサスペンス。

 著者はこれが初の著作にして、ドイツのamazonでベストセラーになったのだという。
 ヴィクトルのもとを休暇中と知りながら押しかける女・アンナが実に不気味。途中までの緊迫感に比べると、ラストはあっけなさだけが目立つような気もする。このサスペンスの醍醐味は、真相の明かされる後半よりも、人の心の不思議を説き謎が深まっていく前半にあるようだ。