新堂冬樹「百年恋人」
百年恋人 新堂 冬樹 双葉社 2007-04 asin:457523575X Amazonで詳しく見る |
病弱な高校生・愛子はある日素敵な青年・透と出逢う。惹かれゆく二人だが、それは周囲から祝福されぬ恋だった。
新堂冬樹ホワイトバージョン、今回は現代のロミオとジュリエット。現代の、というのは携帯電話が登場するからだが、内容はといえば三十年前の少女マンガのようにベタなのだった。テレビドラマ的展開と言ってもいい。お約束の方向に転がり落ちていく二人。
筋書きには何ら意外性はなく、やっぱこう来るかー、というか或る意味想像もしなかったような、なんだかなぁ的にオチる。だが、中盤にかけての異常なまでの愛子へのイジメには、この著者らしい異様な迫力と熱感があり、そういう意味では楽しめた。
奥付の既刊紹介で同じようなピュアストーリーのみ紹介されており、間違っても「溝鼠」なんかは紹介しないところに配慮を感じた。
p.s.しかし、イマドキの純愛小説って、主役のビョーキなしには成立しないの?病気の大安売りはもうやめましょうよ。