香納諒一「夜よ泣かないで」
夜よ泣かないで 香納 諒一 双葉社 2006-11 asin:4575235687 Amazonで詳しく見る |
かつて極道の妻だった絹代婆さんを介護している純は、事件の目撃者となる。死にゆく男から何かを託される純だが…。
内にこもっておとなしすぎる純より、きっぷのいい絹代に引っ張られて読み進んでいった。う〜ん、面白くなる要素を多々持ちながら、無難なところにオチたサスペンスである。ある人物が明らかにアレなので(迷って悩んでいるのは彼女だけだ)、衝撃の真相が衝撃として迫ってこないのだ。
彼と彼女の恋愛と超能力サスペンスにしぼって情感こめて読めれば良かったのだが、ヒロインには魅力が今一つ感じられず、彼女が愛した人もさらにどこが魅力なのかわからなかったので、ラストもやっぱりそうなったか…という気持ち。
p.s.好感度ナンバーワンのあの人がああなってしまうのは勿体ない。カッコ良くは、あったけれど。そしてヒロインが障害を持っているという設定は、あまり効果的でないように私には思えた。