読書日記PNU屋

読書の記録

鳥飼否宇「樹霊」


写真家の猫田は大木の撮影のため訪れた北海道で、動く木の謎に出会う。
退屈な田舎町のはずだったのに、相次ぐ失踪、事故死、変死。
猫田は<観察者>鳶さんに助けを求めるが。


懐かしの<観察者>シリーズ新作である。
猫田が事件に巻き込まれ、にっちもさっちもいかなくなってから
真打ち・鳶さん登場というのはいつも通り。
突飛な事件にもきちんと現実的解釈がつくのはさすがだが、
この動機はいただけないなあ。ここら辺は好みによるのだろうが…。
また、鳶さんの超越ぶりもついていけなさを増大させたように思えてならない。
真犯人の動機が科学的知識に照らして間違っているのもちょっとね。


p.s.私は「痙攣的」みたいな味わいの方が好きですな。