読書日記PNU屋

読書の記録

森博嗣「カクレカラクリ―An Automation in Long Sleep」

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廃墟大好き大学生の郡司と栗城は、マドンナ的同級生の花梨の
実家に泊めてもらうことに。
その地域には、造られてから120年後に動き出すカラクリが
あると言うのだが。


コカ・コーラ120周年を記念した書き下ろし作品とのこと、
道理で随所にコカコーラが登場する。
花梨の妹・やんちゃな玲奈にクールだが天然ボケの郡司、
お調子者の栗城などキャラはよく出来ていると思うのだが、
なぜかとっつきにくいというのか読了するまでにたいへん時間を
要した作品。


各章の巻頭言はすごくいいことを言っているし、いい話なのだけど…。
いわゆる本格推理というより広義のミステリーであることや、
私が機械構造に関心がないこともあって、
ストーリーへの興味が持続しづらかったのかも。
そんな諸事情により、どこか地味な印象を受けた作品だった。


p.s.ドラマ化を前提に(オビによるとその予定はあるそうだ)
書かれた作品らしく、映像化されたら映えるであろうシーンが
散見される。逆に言えば活字の字面からは想像しにくい描写が
多めであった(私の想像力の問題かもしれないが…)。