絲山秋子「絲的メイソウ」
きっぷのよい女性作家によるエッセイ。
筆名の由来や家系の記述もあるのでファンには必読の書、
なんだろうな。
時々挟み込まれるちょっぴりビターなテイストのギャグも見所であろう。
でもごめん…私にゃ合わなかったわ。
著者はヘビースモーカーとのことで、
アンチたばこ主義の私には「喫煙党」、どうにも共感出来なかった。
けれど自説をキッパリさっぱり高らかに言い切る著者の姿勢には、
たとえ異論があれども或る種の感銘を覚えるのであった。
さて小説の文章がうつくしいと定評ある著者のエッセイだけあって、
文体には軽やかなリズムがある。
ただ、そこに書かれたことが読者の共感を呼ぶかというと、
それは違うような気がする(スモーカーの人は別として…)。
あまりにハードな身体状況にひいてしまったり
(マジで大丈夫なのでしょうか?心配です)、
家系やふるさとのお話には、はあそうなのですか…
素敵なおうちでようございますわねえと言うしかなく(私は)、
お祭そんなに嫌わんでも、とか
私にとって著者は、
≪文章がすごく好きでいいと思うんだけれど、
ストーリーがなんだか好みに合わない≫
という気になる作家さんである。
今回エッセイを読み、自分との感性の違いを再認識したと言うか、
ストーリーが読者である自分にしっくりしない理由…
(感覚や価値観の違い?)が判明したように思う。
生きることのたいへんさは伝わったように思う。
意図したカタチで、かどうかはわからないけれど。
p.s.「絲」という字がPCで出せないので、奇跡的に(?)
出ているページからこの字をコピペさせてもらっている私。
なぜPNを「あ」行になさらなかったんですか?
そこら辺を知りたいですわー。