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読書の記録

明野照葉「25時のイヴたち」

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日常に飽き悩みを抱えた女たちが集う隠しサイト。
そこにはまる彼女らは何処へ向かうのか。


悩みというのはパーソナルなもので、同じ悩みでも人によって
受け取り方や深刻度が異なってくるものだ。
チャットで出会った二人の女の悩みも、
本人たちは深刻に思っているのだと想像は出来るものの、ならば何故
病院に行かないのか首をかしげてしまう。


そして彼女達の世界の狭さときたら、どうだろう?


これは小説であるからいいようなものの、何の根拠もなく直感だけで
自分の推測を真実と思い込むのだから苦笑してしまう。
それから最大の違和感を覚えるのは彼女達の行動。
女性にほんとうの友情はない、と言ったのは誰だったか。
さほど友人が多いとは言えない同性の私ですら、彼女らの心情が
理解出来ない。話の都合上、そうオチなければならないのはわかるのだが、
私にはリアルに感じることは出来なかった。


苦い、苦い物語だ。