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読書の記録

綾辻行人「びっくり館の殺人」

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あの中村青司の建てた「びっくり館」で、おそるべき殺人が…。
 
講談社ミステリーランド2006年度刊行第一弾。
著者「あとがき」によれば正当なる「館」シリーズの新作だという。
なにしろ私がミステリー好きになったのは、2000年頃に読んだ
文庫版「十角館の殺人」のおかげであるので、私の中では「館」シリーズは
島田荘司の御手洗シリーズと並んで特別な地位を占めている作品だ。
そのせいか、過剰に期待しすぎてしまったのか、なんとも微妙…
というのが読後まず感じたことだった。
子供が主役。不思議な館。殺人。キーワードはそろっているはずなのに、
そこにはミステリーのお約束であるドキドキやワクワクが足りないように
思える。謎と真相の落差もあまり感じられず、モヤモヤとした気分のまま
本を閉じることになってしまった。
或る意味トンデモにも感じるこの物語のラストをどう味わえばよいのだろうか、
それは私にはわからない。

p.s.館より違う意味でびっくりだわ〜。
七戸優の挿画はムードたっぷりで素晴らしかった。とくに表紙画と口絵は必見。