読書日記PNU屋

読書の記録

吉野万里子「秋の大三角」

秋の大三角
吉野 万理子著
新潮社 (2005.12)
ISBN:4103006315
価格 :1,365円

Amazonで見る

 
仲の悪い両親に心痛めている中学生の里沙は、
親友とよべる由希がいながら、本心をあまりさらけ出すことが
出来ないでいた。電車に出る痴漢の件で憧れの先輩(同性)の
真央から話しかけられる里沙だが。
 
ん…これって、
今野緒雪マリア様がみてるマリア様がみてる1998.04の焼き直し???
かと思ったわ。キリスト教系女子校で憧れの先輩と後輩(同性)が
プラトニックに…みたいなね。
後半その予想は裏切られてトンデモな展開になるのだが、
主人公・里沙が私にとってはエキセントリックすぎて、ついてゆけなかった。
だって、様子がおかしいからてふつう、いきなり人をあるもので突いたりする?
しないよな。この物語では結果オーライだけれど、普通の世界でやったら
あなた犯罪者じゃ…?
それに、親友が話してくれなかった!っていじけてるけど、
人間たとえ親友であっても親兄弟であっても、相談せず自分で決めることって
必要だと思う。私には里沙が(中学生ゆえ無理もないんだけど。
由希の方が大人っぽいくらい)幼すぎてあまりに子供じみて見えてしまう。
なのに、利害関係ゆえか里沙の肩を持つあのヒトも…好きにはなれないな。
というわけで、「マリみて」をこよなく愛している人、
または精神的に幼稚なヒロインを辛抱強く見守ってあげられない
私のような人にはオススメできません。